大判例

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大阪地方裁判所 昭和38年(ワ)3661号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕(二)損害発生

1 原告モンの損害 金三〇〇、〇〇〇円

原告モンは原告美佐雄と同居し、家人の留守の時などに家業の燃料商の客の応接位をしたことはあるが、原告主張一の(二)の1イのような独立した収入、乃至それに準ずべき間接の利益享受があつたものとは認められないので、その得べかりし利益の損失は認められない。

右認定に反する原告美佐雄の供述は乙第六号の一、二、三、第七号証の一、二、三、(所得税確定申告書類)の記載に反し採用できない。

慰藉料は原告主張のとおり金三〇〇、〇〇〇円が相当である。すなわち左の事情を考慮すべきである。

イ 当時六四才の老令の身で事故時<編註、昭和三八年四月二五日>より同年七月一五日まで入院し左足のつりあげ、重しをおくなどの治療を要し、退院後さらに約四〇日間転地してギブスをはめながら養生しなければならなかつた。

ロ 今でも長道をするときは杖を使わなければ歩行が不自由で、ひざ関節部の痛みが去らない。

2 原告美佐雄の損害 金一〇〇、〇〇〇円

原告モンの病院に対する治療費の支払はすべて被告が支払つたが、その栄養補給費として金三〇、〇〇〇円、入院に必要な日用品など雑費金一〇、〇〇〇円、通常のモンのための生計費支出をこえる淡の輪在への転地療養費金二〇、〇〇〇円、モンの入院中の見舞の交通費金一〇、〇〇〇円など、原告請求の金五〇、〇〇〇円をこえる損害が認められる。

また直接、現実の扶養義務を負う子として、老母モンの本件負傷(年令と比してその重さの程度をはからねばならない)<編註、左ひざ関節圧挫傷、左ひざ関節血腫、左〓骨末端骨折>によつて受けた有形無形の生活上の打撃は金五〇、〇〇〇円を下らない慰藉料に相当し、かかる家族関係においてはその請求権を認めねばならない。

3 原告通子の損害 金五〇、〇〇〇円

未婚の実子として老母モンの負傷により、精神的衝撃は勿論のこと、病院での付添い、転地保護の際の送迎などの心労を負い、生活上受けた打撃は金五〇、〇〇〇円の慰藉料に相当する。

4 原告、勧、隆の損害 各金三〇、〇〇〇円

原告勧、隆も孝養の心あつかるべき子らとして、老母モンの負傷により深い心痛を受けたことは察するに難くなく、当時すでに老母モンの扶養は原告美佐雄らに委ね、それぞれ独立の生計を営んで別居しているとはいえ、互に近隣に住み、有無あい融通して家族共同生活に準ずる相互依存の密接な関係にあり老母モンの負傷によつて打撃を受けた事情も認められないわけではないから右の程度において慰藉料請求を認めるのを妥当と考える。 (舟本信光)

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